みかづき通信

本の紹介、『架空の夫と』の読書日記、日々の生活の記録を残しています。

三十路女が『週末、森で』(益田ミリ/著)を読んでみた

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週末、森で

週末、森で

 

 

「人間」なんてひとりもいないのかも
「人間」って見るから
命が軽くなってしまうんだ(『週末、森で』/早川さん)


これまで、益田ミリさんの本を数冊読んできたが、
マンガではぶっちぎりにこの本が一番好き!

 

田舎に引っ越した早川さんの元に、女友達が二人、毎回都会の美味しいお土産を
持って遊びにやってくる。

早川さんたちは、三人とも三十路でちょうど私と同じ年頃。
悩んでいることも、「あー、なんかわかる、わかる」と頷いてしまう。


都会で生活する女友達二人に、早川さんがぽつりと哲学めいた言葉を発し、
後になって友達はその意味を自分なりに解釈し、都会でまた頑張って生活していくのが
基本的な物語の流れ。

私が、ハッとさせられたのは冒頭で引用した早川さんの言葉。
「鳥」という「鳥」はいなくて、全てに名前があるんだよねえ~、という
流れから早川さんが発したもの。

 

そうだよな、「人間」とひとまとめにしがちだけど、
本当は「〇〇さん」という名前がちゃんとあって、
その人の生きてきた時間がちゃんとある。同じ「人間」はいない。
オンリーワンの存在。

 

そう思うと、もっと丁寧に接したいな、と思った。
自分にも、他人にも。