生まれた時から我が家にはレコードがあった。
だが、物心つく頃には、CDというもの(当時は8ミリCDという小さなものが主流だった)がすでに存在していた。
子供には取り扱いの難しいレコードよりも、簡単に操作できるCD(やカセットテープ)の方が断然良いと思っていた。
けれど、ここ数年レコードの魅力に気づいた。
まだレコード歴は浅いので、取り扱いにはいつも不安だし、「このレコード、回転数いくつだったっけ?」とど忘れすることも多々ある。
レコードとレコード関連の音楽機器はすべて父の部屋に揃っている。
父が働いていた頃は、誰もいない部屋でレコードと戯れることができたが、父も定年を迎え、部屋にいることが多くなった。
静かに、一人でレコードと戯れたい。
そんな願いが塵のように積もっていく。
そこで、私は腹をくくった。
父のようにお金をかけたレコード環境は作れなくても、自分のレコードとレコードプレイヤーを持とう。
偶然、You Tubeで見かけて以来気になっていたレコードプレイヤーがある。
スピーカーが内蔵されており、木の素材が素朴な、アイオンのレコードプレイヤー。
初めてのレコードプレイヤーは、この子に決めていた。
そして肝心のレコード。
これは好みのレコードが集まるまでは、父のコレクションを共有することになる。
幸い、父のコレクションの趣味は私と似通っている。
だからレコードは後々購入していこうと思っていたが、偶然ネット検索していたらAdoさんのアルバムが今月レコードとして発売されると知り、彼女の歌声が好きな私は速攻で予約した。
商品が実際に届くのはもう少し先だが、今から届くのが楽しみだ。
早く、自分の部屋でレコードと戯れたくてうずうずしている。