類は友を呼ぶ、というが、本当だな、と思った話が一つ。
以前、図書館で借りた本に、前の利用者の借りた本の一覧が書かれた紙が捨てられずに挟まっていた。
当たり前だが、どこだれと特定はできないようになっているので、私は今までたいして気にせず捨てていたのだが、その時は、やけに長い一覧だったので、何気なくタイトルを眺めてみたら「おお、これぞ類友!」と思うジャンルの本がずらり。
気になる本のタイトルがあったので、それだけメモして後は捨ててしまったが、ちょっとした物語になりそうな話だった。
本の貸し出しカード(「耳をすませば」とかに出てくる本の後ろに差し込まれている貸し出しの履歴カード。借りた人の名前が書かれている)が廃止されてからだいぶ経つが、現代でもこんなことがあるんだな、と名も知らぬ人との縁を感じた。
彼ないし彼女は、どんな気持ちで、この本(韓国の自己啓発とエッセイの中間みたいな本だ)を借りたのだろう?
他の借りた本を見る限り、とても私と趣味が近い。
これがもし、読書会での出会いだったら、すぐに本を通じて友人になれたのではないだろうか。
残念ながら、私の地元には読書会の集まりはコロナ前からなかったのだが、今度、地元で読書会を開いてみたい気持ちになった。
ただ好きな本について語り合い、そこから縁を結んでいく。コロナが落ち着いた頃に、「本の結び屋」としてそんな場を作りたい。
ネット上での住んでいる場所に関係ない「広いつながり」も大事だが、地元という「近いつながり」も大事なのではないだろうか。
私の地元は都会ではないので、密を避けての読書会も開催できるかもしれない。
が、どれだけの人がこの「近いつながり」を求めているのかわからない。
また、私には読書会を主催した実績がないので、そこも今後の課題だろう。
こうして考えると、「本の結び屋」を名乗るには、まだまだ修行が必要だ。
どうか見守って欲しい。