物を書くことを習慣にしている人は(プロ・アマチュア問わず)、
「理想の執筆部屋」を一度は夢みるのではないだろうか。
私も、何度も「執筆作業部屋」として自宅から徒歩で通える圏内に、マンションを
借りようとしたことがある。正直に言うと、今も探している。
どこも家賃が高く、とうてい一人で借りるには無理があるのだが。
このまま、永遠に「理想の執筆部屋」を探し求める亡霊となるのか……。
いや、だが、待てよ。と、現在の状況を整理してみた。
私は、
・一軒家の実家暮らし
・一人部屋を使っている
のだ。
わざわざマンションを借りずとも、執筆したいなら、
好きなだけこもれる部屋がある。
私が目を皿のようにして不動産のサイトで探していた、「理想の執筆部屋」はここにあるじゃないか。
ただ一点、『物であふれかえっている』という点を除けば。
『ならば、部屋を片付けてしまえばいいのでは?』と、いう正論が聞こえてくる。
普段のずぼらな私なら「あーあー、聞こえない、聞こえない」と耳を塞ぐが、「理想の執筆部屋」のためだ。全てを片付けるのは時間がかかりすぎるので、
『視界から物を減らす』作戦に出る。
仰々しく「作戦」といっても、なに、簡単な話だ。
まず、机のすぐ横にある本棚から「今読みたい」と思う本以外は、段ボールや紙袋に入れて、机に座った時、視界に入らないところへ隠す。
これだけで、だいぶ視界の情報が減った。
次に作業机に置く物をPC関連以外、全て隠した。
机に残ったのは、デスクトップPC、キーボード、マウス、マウスパット、PC画面を拭く布、飲み物を置くコースター、Bluetoothのイヤホン。
部屋自体は綺麗になっていないが、机の作業スペースは広くなったし、
作業中に目に入る情報は格段に減った。
これで集中して執筆できなければ、私の集中力に問題がある。
荒業ではあるが、少しは「理想の作業部屋」に近づけたと思いたい。