みかづき通信

本の紹介、『架空の夫と』の読書日記、日々の生活の記録を残しています。

選書で救われる命がある

だいぶ前に「ほんのみせコトノハ」さんの選書サービスを
利用し、届いた本に「ヒャッハー!」と狂喜した記事を書きました。
今でも、アクセスの多い記事です。


どんなこと書いてたっけ? と昨日の晩に読み返したのですが


「なんだ……この浮かれポンチは」


脱力しました。
多分、多くの方が「違う、(私が求めている情報は)そうじゃない」
と思われたことでしょう。


この当時の事を少しだけ詳しく説明すると、
うつ病がかなりひどく、「もう生きてる意味がわからない」と
手元にあったもので首を吊りました。


幸い、すぐに家族が発見してくれたので今もこうして生きているわけですが。
家族に大泣きされ心の中で「申し訳ないことをした」と反省する自分と、
それでも「やはり死にたい」という死に救いを求めようとする自分とがせめぎ合って

いました。


そんな頃、文学youtubeベルさんの動画で「ほんのみせコトノハ」さんの
選書サービスを知り、何に対しても無気力だった心がほんの少しだけ動きました。
家族に「死にたい」と言えば、また泣かせてしまうし、親しい友人にも話のネタが
重すぎて困らせてしまいそうで、じゃあ、北海道と東京という距離的にまったく顔を

合わせることのない、有路さんに思いの全てを託してみようと考えました。


今思い返すと「なんちゅう迷惑な客だ!」と顔から火が出そうな思いなのですが、
暗いトンネルの中にいた私は藁にも縋る思いでネットで選書をお願いしました。
家族にも、親しい友人にも話せない事を全て吐き出して、アンケートを送信。
本が好きだったから、本に救って欲しかったのです。

そして、何度かメールでやり取りをして

(既に持ってる本やあまり興味の持てない本は除外してもらいました)、
私専用の選書リストが完成。
たしか、当時は、「(二週間ほどで本の準備ができるので)お待ちください」と

書かれていたので「本がそろったらメールが届くんだな」とアホな勘違いを

してしまい、二週間以上「ほんのみせコトノハ」さんを待たせてしまうという……(『二週間後には本が揃うからその頃に指定した銀行に入金してね』が正解です)。

 

少し話が脱線しますが、「ほんのみせコトノハ」さんへ送金する銀行が
三菱UFJ銀行さんだったので、少し苦労しました。
前職の関係で、たまたま口座だけは持っていたのですが北海道の田舎では、その、なんというか……(もごもご)


主力の銀行じゃないんですよね(遠い目)。


口座にお金を入れに行くのに、電車に揺られて街まで出なければいけなかったのは

財布的に痛かったです。
まあ、大人の事情もあるでしょうし、東京ではやはり強い銀行だと思うの

でしかたがないのですが。


で、話を戻します。
予算は一万円(送料別)で、私の場合は九冊の本がしばらくして届きました。
中くらいの段ボールには、本と一緒に手紙が添えられていました。
「そうだった、そうだった。店主さんの直筆のお手紙が特典で付くんだった」と
少し怖い思いで(だって……アンケートに「死にたいです」と

はっきり書いてしまった)手紙の封を開けました。

うつ病に理解のない、冷たい言葉が書かれていたらどうしよう……と思いながら。


手紙を読んでみると、そこには一冊一冊丁寧な本の紹介と最後には
「死ぬのはあなたの自由。だから『生きろ!』という言うのも私の自由」

(かなり要約)というエールが書かれていました。


「あっ、生きてていいんだ」
動画でしか知らない相手から生きる事を許された瞬間、私の命は救われました。


そして、白状すると届いた本はまだ一冊も読めていません(おい)。
うつ病の症状が重く、読書ができない状態だったのと、
一通の手紙に安堵したせいか、まだ段ボールの中で読まれる出番を待っています。

二〇一九年もそろそろ終わりに近づいて来たので、昨晩、久しぶりに有路さんの手紙を読み返しました。
最初に手紙を読んだ頃とは、また違った言葉が胸に響きました。
ありがとうございます、有路さん。


そして、やっぱり紹介文がめちゃくちゃ面白かったので、本はちゃんと全部読みます!
まずは、白湯的感覚で絵本から読んでみようかな♪